卒業式は人生の大きな節目。
感動的な瞬間を彩るのにふさわしいクラシックの名曲を7曲ご紹介します。
それぞれの曲が持つストーリーや魅力を知れば、より深く心に響くことでしょう。
展覧会の絵|ムソルグスキー
『展覧会の絵(Pictures at an Exhibition)』は、ロシアの作曲家モデスト・ムソルグスキー(Modest Mussorgsky, 1839 – 1881)が、友人の画家ヴィクトル・ハルトマン(Viktor Hartmann, 1834 – 1873)の作品を題材に作曲した組曲。
『プロムナード』は曲全体をつなぐテーマであり、力強く堂々とした旋律が特徴です。卒業式では、新たな旅立ちを象徴する曲として演奏されることが多く、オーケストラ編曲版(ラヴェル編)ではさらに壮大な響きが加わります。
四季より「春」第1楽章|ヴィヴァルディ
『四季』より「春」第1楽章(La Primavera from The Four Seasons)は、バロック音楽を代表する作曲家アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi, 1678 – 1741)による『四季』の中でも、特に有名な「春」。
明るく華やかなメロディーは、まるで新たな門出を祝うかのようです。鳥のさえずりや川のせせらぎを感じさせる軽快なリズムが、希望に満ちた未来への期待感を高めます。
威風堂々|エルガー
イギリスの作曲家エドワード・エルガー(Edward Elgar, 1857 – 1934)が作曲した『威風堂々(Pomp and Circumstance March No.1)』は、卒業式の定番曲として知られています。
堂々とした旋律は誇り高く、新たな世界へ歩み出す卒業生の決意を象徴しています。特に、中間部の壮大で感動的なメロディーは、多くの人の心を揺さぶる名場面として印象に残ります。
G線上のアリア|バッハ
『G線上のアリア(Air on the G String)』は、ヨハン・セバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685 – 1750)の『管弦楽組曲第3番』の一部として知られています。
穏やかで流れるような美しい旋律が特徴です。深い静けさの中に優雅な響きを持ち、卒業式の厳かな雰囲気を引き立てます。思い出を振り返る時間や、感謝の気持ちを伝える場面にぴったりの楽曲です。
主よ、人の望みの喜びよ|バッハ
『主よ、人の望みの喜びよ(Jesu, Joy of Man’s Desiring)』は、ヨハン・セバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685 – 1750)の『カンタータ第147番』の一部として広く知られています。
美しい旋律と穏やかなハーモニーが特徴で、感謝や祝福の気持ちを込めた卒業式にふさわしい楽曲です。オルガンやピアノ演奏でも人気があり、感動的な雰囲気を一層引き立てます。
詳しくはこちらでも解説しています。
カノン|パッヘルベル
バロック時代の作曲家ヨハン・パッヘルベル(Johann Pachelbel, 1653 – 1706)が生み出した『カノン(Pachelbel’s Canon)』は、シンプルな旋律が美しく繰り返される構成が特徴です。
繰り返されるメロディーが少しずつ変化しながら発展していく様子は、まるで人生の歩みを表しているかのよう。卒業という人生の新たな節目にふさわしい、温かみのある一曲です。
別れの曲|ショパン
フレデリック・ショパン(Frédéric Chopin, 1810 – 1849)の練習曲作品10-3(Étude Op.10, No.3 “Tristesse”)は、その美しい旋律から日本では『別れの曲』として広く知られています。
切なくも心に響く旋律が、卒業という人生の転機を象徴する一曲として、多くの卒業式で演奏されます。友人や恩師との別れを惜しみながらも、新たな未来への一歩を踏み出す決意を後押ししてくれる曲です。
卒業式の場面に流れるクラシック音楽は、思い出をより美しく、心に刻まれるものにしてくれます。新たな未来への旅立ちを迎える皆さんに、これらの名曲が素晴らしい祝福を与えてくれることでしょう。