カンツォーネ

さらばナポリ 歌詞の意味・解説

さらばナポリ Addio a Napole/Addio a Napoli」は古くから親しまれているイタリア民謡の1曲です。
「サンタ・ルチア(Santa Lucia)」で有名なテオドロ・コットロウが作詞作曲しました。
ナポリの港から旅立つ船に乗り、故郷の思い出を胸に別れを惜しむ歌です。
軽快かつ優雅なバルカロール(舟歌)の三拍子の楽曲です。

「さらばナポリ」歴史と解説

「さらばナポリ」や「遙かなるサンタルチア」など、19世紀〜20世紀前半に作曲された歌には、祖国イタリアを離れていく歌がいくつも作曲されています。
この頃のイタリアは移民の送り出し国として、フランス・ベルギーなどの同じヨーロッパ諸国や、遠くはブラジル・アルゼンチンなどの南米まで、祖国を離れて移住するイタリア人が多くいました。
特にアルゼンチンでは現在でも人口の6割以上がイタリアの血を引いているといわれています。

このような時代背景から、祖国への想いを胸に別れを惜しむ歌詞と、新天地への希望を表現した明るい曲調をあわせ持った曲が生み出されたのかもしれません。

ふたつの「さらばナポリ」〜”Napole“と”Napoli

実は日本語のタイトル「さらばナポリ」という曲は二曲あります。
原題は”Addio a Napole“と”Addio a Napoli“ で、これは表記の間違いではなく歌詞もメロディもまったく違う別の曲なのです。(歌い出しのメロディは少し似ています)
しかも作曲者は同じテオドロ・コットロウなので、とてもややこしいです。

「さらばナポリ Addio a Napole」原曲歌詞と日本語訳

日本でカンツォーネ「さらばナポリ」といえばこちらの曲が有名です。
日本語歌詞で歌う場合も多く、学校の教科書に掲載されていたこともあり、イタリア歌曲の代表曲のひとつです。
短い中にもドラマティックな曲の流れがあり、歌の難易度もそこまで高くないので、カンツォーネ初心者にも挑戦しやすい曲といえます。

Addio a Napole

Nce simmo a la partenza
Io mme ne vaco, addio
Napule bello mio
non te vedraggio cchiù

別れの時よ いざいざ さらば
ナポリよ いとこ いま別れる

Quanto nc’è de cchiù caro
dinto a te se ‘nzerra… 
Addio, addio…

想いは残る 懐かし港
さらば、さらば…

No paraviso ‘nterra
Napule mio, si’ tu
No paraviso ‘nterra
この世の楽園 ナポリよ いざ
この世の楽園 ナポリよ いざ

日本語訳:問馬直衛

「さらばナポリ Addio a Napoli」原曲歌詞と日本語訳

こちらはもうひとつの「さらばナポリ」です。
歌い出しが「Addio〜」から始まるので、”Addio a Napole”とはまったく別の曲ということがわかります。
※日本語訳は準備中です

Addio a Napoli

Addio mia bella Napoli
Addio, addio
La tua soave immagine
Chi mai chi mai scordar potrà

Del ciel l’azzurro fulgido
La placida marina
Qual core lo rinebria
Ardea ardea di voluttà

Il ciel, la terra e l’aura
Favellano l’amore
E sola al mio dolore
Dal porto io sognerò, sì
Io sognerò

Addio mia bella Napoli
Addio, addio
Addio care memorie
Del tempo che passò