カンツォーネ

秋 Autunno 歌詞の意味・解説

(Autunno)」は、カンツォーネでは珍しい秋をモチーフにした歌曲です。
「帰れソレントへ」「忘れな草」などで有名なナポリ出身の作曲家エルネスト・デ・クルティスErnesto De Curtis1975-1937)が作曲したナポリ語の歌曲です。

秋 Autunno 歴史と解説

秋(Autunno)」は1913年にクルティスが作曲、L.ボヴィオ(di L. Bovio)が作詞した曲です。
「帰れソレントへ」「忘れな草」などと比べると、日本ではあまり知られていない歌かもしれません。
「輝く太陽」「青い海」というイメージが強いカンツォーネ。
この「秋 (Autunno)」という曲はタイトル通り、カンツォーネには珍しく「秋」を題材にしています。
雨が降る秋の冷たい夜に、過去に去ってしまった愛する人を想う・・・
そんな切ない歌詞です。

「帰れソレントへ」にも負けないぐらいとても情熱的でダイナミックなメロディで、雰囲気が似ていると思います。
「帰れソレントへ」がお好きな方はぜひ聴いてみてください。

秋 Autunno 原曲歌詞と日本語訳

Forse è ll’autunno
Ca mme mantene ‘sta malincunia.
Chiove a zeffunno,
Ninetta mia.
秋が来たようだ
私はこんなにも憂鬱
激しい雨
私のニネッタよ

È uttombre quase; vierno mme pare.
Jurnate fredde, nuttate amare.
まだ10月なのに まるで冬のように感じる
寒くて辛い夜

Sempe aspettanno ca na parola,
Una, una sola,
Mme venesse ‘a te,
Mme venesse ‘a te.
いつも君の言葉を待っている
たったひとつの言葉
私のところに戻ってくる
私のところに戻ってくる

E tu che faje?
Staje allèra o malinconica ‘e sti juorne?
Mme pienze maje?
Tuorne o nun tuorne?
君は何をしているの?
元気ですか それとも憂鬱?
私のことを考えていますか?
帰るか それとも帰らない?

E sí, faje buono, statte luntana,
Tanto, è passata n’annata sana
そう、うまくやっているのか
遠く離れて 1年が過ぎた

Ca nun mm’hê scritto cchiù na parola,
Una, una sola.
Giá, si’ sempe tu.
Giá, si’ sempe tu.
君はひとつの言葉もくれない
たったひとつの言葉も
君はいつもそうだよ
君はいつもそうだよ


『1年前に去ってしまった君。
何の連絡もないけれど、元気にしているのか?
僕のことを考えてくれているのか?
僕のところに戻ってくるのか?』

こんなストーリーですね。
きっと恋人とはお別れしたのですが、それをまだ受け入れられずに、彼女が戻ってくることを願っているのでしょう。

ただ、女性からすると、1年も前に別れて一切連絡もしていないのに、
「私のニネッタよ、僕のこと考えてる?戻ってこないの?どうして連絡くれないの?」
とかまだ言われていたら、ちょっと驚いてしまうかもしれませんね!

秋 Autunno 動画

Franco Ricci氏、Bruno Venturini氏の動画をご紹介します。

同じくクルティスが作曲した歌はこちらです。