カンツォーネ

アリヴェデルチ・ローマ 歌詞の意味・解説

カンツォーネは大きく2種類に分かれ、19世紀~20世紀初め頃に作曲された大衆歌曲やイタリア民謡、特にナポリ民謡(Canzone Napoletana カンツォーネ・ナポレターナ)として知られる曲と、1950年代以降のイタリアン・ポップスもカンツォーネと呼ばれます。
「アリヴェデルチ・ローマ」は後者のイタリアン・ポップス系のカンツォーネです。

「 アリヴェデルチ・ローマ 」歴史と解説

「アリヴェデルチ・ローマ Arrivederci Roma」 は1955年にピエトロ・ガリネイとサンドロ・ジョヴァニーニが作詞、レナート・ラシェルが作曲しました。
イギリスから来た少女がローマの名所旧跡の数々を訪ねて、やがて別れを告げるという内容です。
当時のアメリカは『ローマの休日』などノイタリアで撮影された映画をはじめ、イタリア音楽・イタリア車などイタリア文化がブームになっていました。
そんな中、1958年に米・伊合作映画『ローマの七つの丘(Seven Hills of Rome )』(日本未公開)が公開され、 「Arrivederci Roma」は劇中歌としてテノール歌手のマリオ・ランツァが歌ったことで、世界的にヒットしました。
「Arrivederci」=「さようなら」と訳されますが、実際は「see you again=また会いましょう」という意味合いになります。本当にもう会えないかもしれないというニュアンスの別れの挨拶は「Addio (アデッオ)」と言います。

映画「 Seven Hills of Rome 」Arrivederci Roma by マリオ・ランツァ

「 アリヴェデルチ・ローマ 」 原曲歌詞と日本語訳

T’invidio, turista che arrivi
T’imbevi de Fori e de scavi
Poi tutto d’un tratto te trovi
Fontana de Trevi ch’è tutta pe’ te!
旅するあなたが羨ましい
洞窟や遺跡を巡って
目の前に広がるトレビの泉も あなたのもの

Ce sta ‘na leggenda romana
Legata a ‘sta vecchia fontana
Per cui si ce butti un soldino
Costringi er destino a fatte tornà
この噴水には ローマの伝説がある
コインを投げたら あなたはまた戻って来る運命

E mentre er soldo bacia er fontanone
la tua canzone in fondo è questa qua!
コインにキスをして噴水に投げて
あなたが歌う歌はこの曲

Arrivederci, Roma…
Good-bye… au-revoir…
Si ritrova a pranzo a Squarciarelli
Fettuccine e vino dei Castelli
Come ai tempi belli che Pinelli immortalò!
さようなら ローマ
さようなら・・・
スクアルチャレッリ(レストラン名)で
カステーリのフェットチーネにワイン
ピネッリが名作を残したあの時代のように

Arrivederci, Roma…
Good-bye… au-revoir…
Si rivede a spasso in carrozzella
E ripensa a quella “ciumachella”
Ch’era tanto bella e che gli ha detto sempre “no”!
さようなら ローマ
さようなら・・・
観光馬車で回って
チゥマケッラを思い出す
美しかった彼女
いつも彼に”no!”と言っていた彼女

※すみません、”ciumachella”の意味がわかりませんでした。
どなたかご存知の方がいらっしゃれば教えてください!

「 アリヴェデルチ・ローマ 」 日本語版

「アリヴェデルチ・ローマ」は日本語でも歌われています。歌詞はメロディに合わせてやや意訳になっていますが、ローマの街並みを黄昏ながら歩いている雰囲気が伝わってくる素敵な歌詞だと思います。

アリヴェデルチ・ローマ

日本語詞:あらかは ひろし・音羽たかし

夕闇忍びよる 石畳の上に
長い影宿してたたずむ
人かげひとつ
古き都ローマの トレビの泉に
いつかまた 帰りくる日の
きたらんことを
いつかめぐりくるその日の
幸多かれと祈る

アリベデルチ・ローマ
また来る日まで
たとえ異郷の空遠く
今宵離れていこうと
夢は夜ごと通う 君がもと
さらばローマよ 恋の都よ
いつか星も輝き
リラの花散る今宵
よみがえる 思い出の数かず