カンツォーネ

パッシオーネ Passione 歌詞の意味・解説

「パッシオーネ Passione」は、リベロ・ボヴィオ(Libero Bovio, 1883-1942)作詞、エルネスト・タリアフェッリ(Ernesto Tagliaferri)とニコラ・ヴァレンテ(Nicola Valente)作曲により、1934年に発表されました。

マリオ・ランツァ、ジュゼッペ・ディ・ステファノ、ルチアーノ・パヴァロッティといった名テノールたちのレパートリーとして定番となっている、カンツォーネ・ナポレターナの名曲です。

「パッシオーネ」歴史と解説

作詞を手がけたリベロ・ボヴィオは、「レジネッラ」をはじめ生涯600曲ほどのナポリ歌謡の歌詞を手がけたナポリ方言詩人・作詞家です。「パッシオーネ」もその代表作の一つに数えられ、ナポリ音楽の中でも特に情熱的で劇的な楽曲として知られています。

作曲を手がけたエルネスト・タリアフェッリとニコラ・ヴァレンテの旋律に乗せられたこの曲は、発表以来カンツォーネ・ナポレターナの定番曲として広く親しまれ、フレディ・デ・トマーゾなど数多くのテノール歌手がコンサートやアルバムで取り上げてきました。

マリオ・ランツァ、ジュゼッペ・ディ・ステファノ、ルチアーノ・パヴァロッティら20世紀を代表する名テノールたちも、この曲を自身のレパートリーの定番としていました。

「パッシオーネ」の意味

タイトルの「パッシオーネ(Passione)」は、イタリア語で「情熱」「熱愛」「苦悶」といった意味を持つ言葉ですが、同時に「キリストの受難」を意味する宗教的な言葉でもあります。

歌詞に「聖母」「十字架」などの言葉が表れるように、「パッシオーネ」には単なる恋の情熱以上の、十字架を背負ったキリストの苦しみと重ね合わせるような、深い精神的な含意が込められているのかもしれません。

繰り返される「Te voglio,  te penzo, te chiammo, Te veco, te sento,  te sonno(あなたを求め、あなたを想い、あなたを呼ぶ。あなたを見つめ、あなたの声を聞き、あなたを夢見る)」というフレーズには、愛する人への情熱的な想いが込められています。

恋する者が味わう歓喜と苦痛が表裏一体となった感情、そして情熱的でありながらどこか宗教的な厳粛さも漂わせるこの楽曲は、単なる恋愛の情熱を歌うにとどまらず、人間が愛によって味わう苦悩そのものを描く作品として、今も世界中のテノール歌手によって歌い継がれています。

「パッシオーネ」原曲歌詞と日本語訳

Chiu’luntana me staie,
cchiu’ vicina te sento
Chi sa a chisto mumento
tu a che pienze, che faie

あなたが遠く離れるほど
あなたを近くに感じる
あなたは何を思い、何をしているだろう

Tu m’e’ miso ‘int’ ‘e vvene
nu veleno ch’e’ ddoce
Nun me pesa sta croce
ca trascino pe’te

あなたがこの血に入れた甘い毒
この十字架はなんて重いのだろう
あなたのために私は耐えている

Te voglio,  te penzo, te chiammo,
Te veco, te sento,  te sonno

あなたを求め、あなたを想い、あなたを呼ぶ
あなたを見つめ、あなたの声を聞き、あなたを夢見る

E’ n’anno,  ‘nce pienze ca e’ n’anno,
ca st’uocchie nun ponno  cchiu’ pace truva’?

一年が経ったなんて、気づいているかい
この目が二度と安らぎを見つけることができなくなってから

E cammino, e cammino,
ma nun saccio addo’ vaco
I’ sto sempe ‘mbriaco
e non bevo mai vino.

私は歩く、歩く
しかしどこへ向かうのか
いつも酔っているんだ
ワインも飲んでいないのに

Aggio fatto nu vuto
a’ Madonna d’ ‘a Neve
si me passa ‘sta freve 
oro e pperle lle do’.

私は雪の聖母に誓った
もしもこの熱病が治まるのなら
金と真珠を捧げると

Te voglio, te penzo,  te chiammo,
Te veco, te sento,  te sonno

あなたを求め、あなたを想い、あなたを呼ぶ
あなたを見つめ、あなたの声を聞き、あなたを夢見る

E’ n’anno,  ‘nce pienze ca e’ n’anno,
ca st’uocchie nun ponno cchiu’ pace truva’?

一年が経ったなんて、気づいているかい
この目が二度と安らぎを見つけることができなくなってから