『オペラ座の怪人 The Phantom of The Opera』は、アンドリュー・ロイド・ウェバー(Andrew Lloyd Webber, 1948-)作曲のミュージカル『オペラ座の怪人』で歌われるナンバーです。
ミュージカル『オペラ座の怪人』は世界的な大ヒットとなり、この曲はCMやテレビ番組、イベントなどさまざまなシーンで使われるようになりました。
ウェバー『オペラ座の怪人』の概要とあらすじ
『オペラ座の怪人』は、1986年にイギリス・ロンドンのウエスト・エンドで初演されました。その年にイギリスでもっとも権威があるとされるローレンス・オリヴィエ賞を受賞しています。
1988年にはブロードウェイでも上演され、トニー賞を受賞しました。ブロードウェイ史上で1位を誇るロングラン公演作品となっています。
日本では1988年4月に劇団四季が上演を開始しています。
原作は、フランスの作家ガストン・ルルーの小説『オペラ座の怪人』です。ミュージカルにするために、アンドリュー・ロイド・ウェバーが作曲し、チャールズ・ハートが作詞、リチャード・スティルゴーが補作をそれぞれ担当しました。脚本はウェバーとスティルゴーの共作です。
舞台は19世紀末のパリ。
音楽の才能がありながら醜く生まれついたために、”オペラ座の怪人”はオペラ座(オペラ・ガルニエ)の地下に住んでいました。
怪人は、正体を隠してクリスティーヌに音楽を教え、彼女をオペラの主役となるように画策します。クリスティーヌは怪人のことを「音楽の天使」と呼び、その姿を見たことはありません。クリスティーヌに恋心を抱く怪人は、スター歌手であるカルロッタが舞台を降板するように仕向けます。その結果、クリスティーヌは主役としてデビューすることになりました。
そんなとき、クリスティーヌのもとに幼馴染のラウルが訪れ、再会した2人は恋に落ちてしまいます。
クリスティーヌは、怪人に姿を見せてほしいと頼みますが、怪人は仮面をはずそうとはしません。しかし、秘密の隠れ家で怪人がオルガンを弾いているときに、クリスティーヌは怪人の仮面をはずし、怪人の醜い姿を見てしまいます。クリスティーヌが同情し仮面を返すと、怪人は隠れ家から地上に帰してあげるのでした。
そして、オペラの開演中、突然カルロッタの声がカエルの声に変わり、縄で首を吊られた男の遺体が現れます。混乱する舞台からクリスティーヌとラウルは逃げ出し、ラウルは怪人から彼女を守ることを誓い、2人は婚約します。
それを知った怪人は、復讐を誓うのでした。
それから半年後の仮面舞踏会に怪人が現れます。怪人の新作をクリスティーヌに主演させるためでした。怪人はクリスティーヌの婚約指輪を奪い去っていきます。
ラウルは、新作の上演中に怪人を捕まえることを計画します。相手役が怪人に入れ替わっていることに気づいたクリスティーヌが怪人の仮面を剥がすと、オペラ座は混乱の渦となりました。怪人はクリスティーヌを舞台から連れ去ります。
怪人の隠れ家で、彼女にウェディングドレスを着るように命じますが、そこにラウルが現れます。怪人はすかざすラウルを捕らえてしまいました。怪人は「ラウルを助けてほしければ、ここにいるように」とクリスティーヌを脅しますが、クリスティーヌは「醜いのは顔ではなく、あなたの心です」と言って屈しません。
しかし、怪人の悲しい生い立ちを知ったクリスティーヌが憐れみのキスをすると、怪人はラウルとクリスティーヌを解放します。2人が逃げていくと、残された怪人は泣き崩れてマントで身を隠します。隠れ家にやってきた人がマントを剥がすと、そこには仮面だけが残されて怪人の姿はありませんでした。
「オペラ座の怪人」原曲歌詞と日本語訳
(Christine)
In sleep he sang to me, In dreams he came
That voice which calls to me. And speaks my name…
And do I dream again? For now I find
The phantom of the opera is there
Inside my mind…
眠りのなか 彼が私に歌っている
夢のなかで 彼がやってくる
私に呼びかけ 私の名前を呼ぶその声
私はまた夢を見ているのかしら? 今なら分かる
オペラ座の怪人がそこにいることを
私の心のなかにいることを
(Phantom)
Sing once again with me, our strange duet…
My power over you grows stronger yet…
And though you turn from me, too glance behind
The phantom of the opera is there
Inside your mind…
もう一度私と歌うのだ 私たちの不思議なデュエットを
私の力がお前を覆い 力はさらに強くなっていく
たとえお前が私から顔を背けたとしても 振り返れば
オペラ座の怪人はそこにいるのだ
お前の心のなかにいるのだ
(Christine)
Those who have seen your face draw back in fear…
I am the mask you wear…
あなたの顔を見た人は 恐怖に引きずり込まれるわ
私はあなたが着けている仮面なの
(Phantom)
It’s me they hear…
それは人が噂している私のことだ
(Both)
Your/my spirit and your/my voice in one combined
The phantom of the opera is there
Inside your/my mind…
あなたの心が/私の心が、あなたの声と私の声と一つに交わっている
オペラ座の怪人はそこにいる
あなたの/私の心のなかに
(Phantom)
In all your fantasy, you always knew
That man and mystery
お前の幻想のなかで お前はいつも知っていた
その男とミステリーが
(Christine)
Were both in you
どちらもあなたのなかにいることを
(Both)
And in this labyrinth where night is blind
The phantom of the opera is here / there
そしてこの迷宮のなかは 夜は何も見えない
オペラ座の怪人はここにもそこにもいる
(Christine)
Inside my mind
私の心のなかにいる
(Phantom)
Sing! My angel of music
歌うのだ!私の音楽の天使よ
(Christine)
He’s there
The phantom of the opera
彼はそこにいる
オペラ座の怪人はそこに
(Phantom)
Sing, sing for me
Sing, my angel of music!
Sing for me!
歌え!私のために歌うのだ
歌え!私の音楽の天使よ
私のために歌うのだ!