「タンゴ・イタリアーノ(Tango italiano)」は、ワルター・マルゴーニ(Walter Malgoni, 1924-2008)作曲、ブルーノ・パッレージ(Bruno Pallesi)作詞によって1962年に発表されました。
1962年開催の第12回サンレモ音楽祭で第2位に入賞した楽曲で、イタリアのカンツォーネを代表する名曲の一つとして知られています。
「タンゴ・イタリアーノ」歴史と解説

(左から)クラウディオ・ヴィラ、ミルバ、ニコラ・アリリアーノ
画像出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Milva
「タンゴ・イタリアーノ」は、第12回サンレモ音楽祭(1962年)に出場し、セルジオ・ブルーニとミルバのペアによる歌唱で第2位に入賞しました。
同年のサンレモ音楽祭では、セルジオ・ブルーニが歌った「Gondolì gondolà」が第3位に入賞しています。
一人の歌手が同一年に複数の楽曲を入賞圏内へ導いた例はめずらしく、これはサンレモ音楽祭史上最後の快挙とされています。
その後、特にミルバの代表曲の一つとして、さまざまな世代から親しまれるようになりました。
彼女の力強く情熱的な歌唱と、タンゴ特有の哀愁を帯びたメロディーが重なり合い、強い印象を残す楽曲の一つです。
「タンゴ・イタリアーノ」の意味

タイトルの「Tango italiano」は、直訳すると「イタリアのタンゴ」という意味です。
タンゴは、19世紀後半にアルゼンチン・ブエノスアイレスで誕生した音楽およびダンスですが、20世紀初頭にヨーロッパへ伝わり、イタリアでも独自の解釈と発展を遂げました。
「タンゴ・イタリアーノ」は、そうしたイタリア独自のタンゴ様式を取り入れた作品といえます。
楽曲は、冒頭ではしっとりとしたタンゴ調で始まり、サビではイタリアン・カンツォーネらしい伸びやかな旋律へと展開します。
恋の情熱と切なさを描いた歌詞は、イタリア歌謡が伝統的に扱ってきた「愛」というテーマを、タンゴ特有のメランコリックな響きによって印象的に表現しています。
「タンゴ・イタリアーノ」原曲歌詞と日本語訳
【1番】
Vivevo sola sola in un paese lontano
di là dal mar
una sera me ne andavo in compagnia di nessuno
a passeggiar
fra mille luci colorate
e mille juke box
che suonavano motivi di jazz
una nota conosciuta si levò
e il mio cuore in quel momenti si fermò.
私は一人きりで
海の向こうにある遠い国に暮らしていた
ある晩 誰と連れ立つでもなく
一人で散歩に出かけた
色とりどりの灯りがきらめき
無数のジュークボックスから
ジャズのメロディが流れてくる
そのとき 聞き覚えのある一音が立ちのぼり
私の心は その瞬間 凍りついたように止まった
Un tango italiano
un dolce tango
ho sentito una notte suonar
sotto un cielo lontano
イタリアのタンゴ
甘くやさしいタンゴ
遠い空の下の夜に
私はその旋律を耳にした
【2番】
Quel tango italiano
quel dolce tango
col pensiero mi ha fatto volar
dal mio amore lontano.
そのイタリアのタンゴ
あの甘いタンゴは
想いを翼に変え
遠く離れた恋人のもとへ
私の心を飛ばしてくれた
《間奏》
【3番】
In quel momento sull’ali del vento
avrei voluto andar
e dal mio amore il mio cuore scontento
voleva ritornar.
その瞬間
風に乗って 飛んで行きたかった
満たされぬ私の心は
愛する人のもとへ
帰りたがっていた
Un tango italiano
un dolce tango
ha portato un richiamo d’amor
al mio stanco e nostalgico cuor
e mi ha fatto per sempre tornar
dal mio amore italiano.
イタリアのタンゴ
甘いタンゴは
愛の呼び声を運び
疲れ切った 郷愁に満ちた私の心に
そっと響いた
そして私は 永遠に戻ることを決めた
イタリアの恋人のもとへ
Questa tango italiano.
これがイタリアのタンゴ