コラム

「鬼のパンツ」原曲はイタリア登山電車のCMソングだった

「鬼のパンツ」といえば誰もが知っている日本の童謡です。

「おにのパンツはいいパンツ~♪ つよいぞ~♪ つよいぞ~♪」


子供向けのテレビ番組で歌われていたり、絵本にもなっていたりするので、おなじみの曲だと思います。
でも、どうしてこんな不思議な歌詞なんだろうと思ったことはありませんか?
実は「鬼のパンツ」の原曲はイタリアのカンツォーネ
しかも世界最古のコマーシャルソングとして生まれたのです。

原曲は「フニクリ・フニクラ」というカンツォーネ

「鬼のパンツ」の原曲は「フニクリ・フニクラ」というイタリア語の歌です。
「フニクラ・フニクラ」という言葉は「フニコラーレ」という登山電車の愛称であり、実はこれはの歌は登山電車を運営する会社の依頼で作曲された、いわばコマーシャルソングだったのです。
原曲の歌詞も「行こう、行こう、頂上へ~♪」と、登山電車で恋する人と頂上を目指すといった内容になっています。

替え歌「鬼のパンツ」が主役になった

「フニクリ・フニクラ」が初めて日本語訳で歌われたのは1961年、当時のNHK「みんなのうた」で初めて発表された時は「登山電車」という原曲に忠実なタイトルでした。その後1970年には原題と同じ「フニクリ・フニクラ」というタイトルでも歌われているようです。
その後、子供向けの替え歌として「鬼のパンツ」が1975年に当時「うたのおにいさん」だった田中星児が発表したとされています。しかしJASRACのデータベースには「作詞者不詳」となっており、実際に歌ったのは田中星児ですが、歌詞を考えた作詞者はわからないようです。(作詞者を田中星児と表記する番組もあり所説あるようです)

「鬼のパンツ」は童謡として数多くの子供番組で歌われるようになり、子供向けCDなどにも収録され、同名の絵本やキャラクターグッズなども発売されています。現在でも節分がある2月には、手遊びつきで幼稚園や保育園で歌われているようです。そのような背景もあって、日本では「フニクリ・フニクラ=登山電車」という原曲の意味は忘れ去られてしまい、「鬼のパンツ」として強いイメージで広がってしまったようです。


おにのパンツ
作詞:作詞者不詳

おにのパンツはいいパンツ つよいぞ つよいぞ

トラのけがわでできている つよいぞ つよいぞ

5ねんはいてもやぶれない つよいぞ つよいぞ

10ねんはいてもやぶれない つよいぞ つよいぞ

はこう はこう おにのパンツ 

はこう はこう おにのパンツ

あなたも わたしも あなたも わたしも

みんなではこう おにのパンツ