「マリア・マリ(Maria, Mari)」は、「オー・ソレ・ミオ」で有名なナポリ出身の作曲家エデュアルド・ディ・カプア( Eduardo Di Capua,1865-1917)が1899年に発表したイタリア歌曲です。作詞はナポリ出身のヴィンチェンツォ・ルッソ (Vincenzo Russo, 1874-1904)です。
マリア・マリ 歴史と解説
「マリア・マリ(Maria, Mari)」はディ・カプアが「オー・ソレ・ミオ(‘O sole mio)」を発表した翌年の1899年に発表されています。
「オー・ソレ・ミオ」の作曲者は実は2人だった
実は「オー・ソレ・ミオ」の作曲者については、現在ではディ・カプアとアルフレッド・マッツッキの連名で記載されていることが多く、その理由としては、”1897年にマッツッキが作曲したメロディをディ・カプアが買い取っていて、その中にオー・ソレ・ミオのメロディも含まれていたから”でした。それはマッツッキの死後に彼の娘の申し出によって明らかになり、当時の裁判所の判断でマッツッキは共同作曲家として法的に認められました。
さらにその時にマッツッキが共同作曲家として認められたのは「オー・ソレ・ミオ」1曲ではなく、なんと18曲もあったのです。
※詳しくはこちらの記事を参照ください。
もしかして「マリア・マリ」も・・・?
「マリア・マリ」は「オー・ソレ・ミオ」の翌年に発表されています。
そうなると、
もしかして「マリア・マリ」もマッツッキの作曲したメロディなのでは?
という疑惑が浮上してきます。
日本語の楽譜やネット上での情報ではディ・カプアの名前しか出て来ませんでしたが、海外のサイトでは「オー・ソレ・ミオ」と同じくマッツッキが共同作曲家として記載されていました!
これからもディ・カプアの曲と出会ったら、裏にマッツッキがいるのではと疑ってしまいそうですね・・・
マリア・マリ 原曲歌詞と日本語訳
Arapete fenesta
famm’affaccia a Maria,
窓を開けて
マリアの顔を見せておくれ
ca stongo mmiez’ ‘a via
speruto p’ ‘a vede.
私はこの道で
会いたくて待っている
Nun trovo n’ ora’ e pace:
‘a nott’ a faccio juorno,
安らぎの時もなく
夜も昼も同じ
sempe pe sta cca attuorno
speranno ‘e ce parlaa!
いつもここにいる
話がしたいんだ!
Oj’Mari, oj’Mari!
Quanta suonno ca perdo pe’ te!
おお、マリ
君のために夜も眠れない
Famm’ addurmi
abbracciato un poco cu te!
少し眠りたい
君を腕に抱いて
冒頭は情熱的で力強いテンポで始まり、「Oj Mari(オィ・マリー)」と呼びかけるサビの部分からは伸びやかでやや切ない曲調になります。
夜も眠れず、愛する女性の家の前で、一目でも会いたくて待っている・・・
曲の最後の方では、「窓の小さな隙間から可愛い手が見えた、マリアが目覚めた・・・」
とあるので、きっと朝までずっと道端で待っていたのかもしれません。
現代だとややストーカー気味ですね!
でも情熱的でとても素敵な曲です。
マリア・マリの動画
ルチアーノ・パヴァロッティ、マリオ・ランツァの歌をご紹介します。
マリア・マリ 無料楽譜
マリア・マリの楽譜はパブリックドメインの楽譜配布サイト「IMSLP」でダウンロードすることができます。
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