シャンソン

愛の讃歌 Hymne à l’amour 歌詞の意味・解説

「愛の讃歌 Hymne à l’amour」は、エディット・ピアフ(Édith Piaf, 1915-1963)作詞、マルグリット・モノー(Marguerite Monnot, 1903-1961)作曲により、1949年に発表されました。のちにエディットの代表曲として広く知られ、世界中で愛され続けているシャンソンの名曲です。

「愛の讃歌」歴史と解説

「愛の讃歌」は、エディットが当時恋人関係にあったプロボクサーのマルセル・セルダン(Marcel Cerdan, 1916-1949)への愛を歌った曲です。相思相愛で誰もが知る仲でしたが、マルセルへの深い愛情を表現するために書かれたものと考えられています。エディットは1949年に歌詞を書き、マルグリット・モノーが作曲しました。

(左)エディット・ピアフ、(右)マルセル・セルダン

【画像出典】https://www.theguardian.com/music/article/2024/jul/27/edith-piaf-song-celine-dion-paris-games

1949年9月14日、エディットはニューヨークのキャバレー・ヴェルサイユ(Versailles cabaret)にて初めて「愛の讃歌」を披露。翌1950年5月2日にパリのパテ・マルコーニ・スタジオで録音され、すぐに大ヒットとなりました。

しかしその後、悲劇が待ち受けていました。1949年10月28日、恋人のマルセルがパリからニューヨークへ向かう飛行機「エールフランス009便」の墜落事故で帰らぬ人となります。エディットは喪失感に苛まれながらもステージに上がり、叶わぬ想いとともに、星が煌めく夜をも包み込むような歌唱を披露したのです。
この出来事により、「愛の讃歌」はさらに深い意味を持つ楽曲となり、二人の永遠の愛の証として語り継がれることになりました。

エディット・ピアフ

【画像出典】
https://en.wikipedia.org/wiki/%C3%89dith_Piaf

「愛の讃歌」は世界中で様々な言語に翻訳され、数多くのアーティストによってカバーされてきました。英語版「Hymn to Love」も知名度が高く、日本では越路吹雪が歌った岩谷時子の訳詞が特に有名で、日本語版も幅広い世代から親しまれています。

「愛の讃歌」の意味

「愛の讃歌」は、どんな困難があっても揺るがない、絶対的な無条件の愛を歌った曲です。
愛する人のためなら空が崩れ落ちても、世界が滅びても構わないという、献身的で情熱的な愛を忠実に表現しています。
さらに、愛する人が自分を愛してくれるなら、それだけで人生のすべてが満たされるという、愛し合うことの喜びと充足感も詞に含まるのが魅力です。

マルセルへの愛から生まれたこの曲は、一人の女性の想いを普遍的な愛の讃歌へと昇華させた、シャンソンの最高傑作の一つとして今も輝き続けています。

「愛の讃歌」原曲歌詞と日本語訳

【1番】
Le ciel bleu sur nous peut s’effondrer
Et la terre peut bien s’écrouler
Peu m’importe si tu m’aimes
Je me fous du monde entier
青空が崩れ落ちても
大地が割れてしまっても
あなたが私を愛してくれるなら、それで構わないわ
世界がどうなったっていいの

Tant qu’l’amour inond’ra mes matins
Tant que mon corps frémira sous tes mains
Peu m’importe les problèmes
Mon amour puisque tu m’aimes
愛が私の朝を満たしてくれる限り
あなたの腕の中で私の身体が震える限り
どんな問題も気にしないわ
愛しい人、あなたが私を愛してくれるなら

【2番】
J’irais jusqu’au bout du monde
Je me ferais teindre en blonde
Si tu me le demandais
世界の果てまで行くわ
髪をブロンドに染めようかしら
もし、あなたが望むならね

J’irais décrocher la lune
J’irais voler la fortune
Si tu me le demandais
月も星も取ってくる
財宝だって盗んでくる
もし、あなたが望むならね

Je renierais ma patrie
Je renierais mes amis
Si tu me le demandais
祖国も捨てられる
友人との縁も切る
もし、あなたが望むならね

On peut bien rire de moi
Je ferais n’importe quoi
Si tu me le demandais
人々が私を笑っても構わない
あなたが望むなら、何だってできるのよ

【3番】
Si un jour la vie t’arrache à moi
Si tu meurs que tu sois loin de moi
Peu m’importe si tu m’aimes
Car moi je mourrais aussi
もしいつか、運命が二人の仲を引き裂いても
あなたが死んで、たとえ遠い存在になってしまっても
私を愛してくれるなら、幸せよ
だって私もいつか死ぬのだから

Nous aurons pour nous l’éternité
Dans le bleu de toute l’immensité
Dans le ciel plus de problèmes
Mon amour crois-tu qu’on s’aime
私たちは永遠に離れない
青く広大な空の彼方に
天国には、もう憂いなんてないから
愛しい人、私たちは愛し合っているって信じてるでしょう?

Dieu réunit ceux qui s’aiment
神は、愛し合う二人を再び結び合わせてくれる