映画「エビータ」1996年公開
(左から)ペロン大統領役のジョナサン・プライス、エバ役のマドンナ
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「アルゼンチンよ泣かないで Don’t cry for me Argentina」は、アンドルー・ロイド・ウェバー(Andrew Lloyd Webber)作曲、ティム・ライス(Timothy Miles Bindon Rice)作詞のミュージカル『エビータ(Evita)』の代表曲です。作中では、主人公エバ(エビータ)が民衆に向けて歌います。
ウェバーとライスは『ジーザス・クライスト・スーパースター Jesus Christ Superstar』でも知られる名コンビです。
1996年公開の映画版では、歌手マドンナ(Madonna)がエバ役を演じ、本楽曲をシングルとしてリリース。世界的なヒットを記録しました。
『エビータ』の概要とあらすじ
『エビータ』は、1976年に発表されたロック・オペラ形式のコンセプト・アルバム「Evita」をもとに製作されたミュージカルです。アルバムの成功を受け、1978年にロンドンのウェスト・エンド(West End)でミュージカルが初演されました。

ミュージカル「エビータ」1979年ブロードウェイ公演時のワンシーン
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翌1979年にはブロードウェイでも上演され、トニー賞ミュージカル作品賞を受賞。イギリス発の作品として初の快挙を達成し、1980年のトニー賞では主要部門を含む複数の賞に輝きました。
物語の舞台と登場人物
本作の舞台は、20世紀前半のアルゼンチン。
語り手として登場するチェ(Che)は、チェ・ゲバラ(Ernesto “Che” Guevara)をモデルにしたキャラクターで、エバの人生を批評的な視点から見つめる存在です。
貧しき少女から、キャリアを積み上げる女性へと成長

ミュージカル「エビータ」エバ役のレイチェル・ゼグラー
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エビータことマリア・エバ・ドゥアルテ・デ・ペロン(María Eva Duarte de Perón)は、1919年5月7日にブエノスアイレスから150マイルほど離れたパンパ(Pampa)と呼ばれる草原地帯の寒村で、私生児として生まれました。
物語は1952年、エバの死が報じられる場面から始まります。アルゼンチン全土が深い悲しみに包まれる中、チェは冷ややかな視線を向けながらも、彼女の波乱に満ちた生涯を歌とともに語ります。
エバは貧しい環境で育ち、1934年にブエノスアイレスへと旅立ちます。故郷で興行していたタンゴ歌手アウグスティン・マガルディ(Agustín Magaldi)に美貌を認められ、声をかけられたことがきっかけでした。
都会へ出ると、夢と野心を胸に女優やラジオ・スターとしてのキャリアを着実に積み上げ、自らの居場所を切り拓いていきます。その歩みは決してきれいごとばかりではありませんでしたが、それでも彼女は決して立ち止まりません。
ペロンと出会い、病と闘いながら国のために尽くす

ミュージカル「エビータ」2012年ブロードウェイ公演時のワンシーン
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そんなエバの運命を変えたのが、1943年の出会いでした。
あるパーティーで、副大統領兼国防大臣兼労働局長を兼任するフアン・ドミンゴ・ペロン大佐(Juan Domingo Perón)と知り合い、二人はやがて結婚します。
1946年3月28日にペロンが大統領に選出されると、ファーストレディの座に就きました。
「エビータ」として民衆の前に立ち、貧しい人々に寄り添う存在として熱狂的な支持を集めたその姿は、多くの人にとって希望そのものだったのです。
しかし、輝きの裏には政治的な駆け引きや疑惑もつきまとっていました。
理想と現実の間で揺れるエバを、チェは冷めた目で見遣ります。それでも彼女は、自分にできるかたちで「人々のために生きること」を決意します。
1951年、エバの人気に期待をかけたフアンは副大統領の地位を与えようとしましたが、折悪しく医師から子宮頸癌と診断されます。病に倒れてもなお国のために尽くそうと葛藤するものの、体はすでに限界を迎えていました。
最期のときが迫る中で、エバは自らの人生を振り返り、アルゼンチン国民への変わらぬ愛を誓います。
翌1952年7月26日、享年33歳という若さで彼女はこの世を去りました。
その後も「エビータ」の存在は消えることなく、アルゼンチンの象徴として人々の記憶と想いの中で生き続けていきます。
「アルゼンチンよ、泣かないで」原曲歌詞と日本語訳
It won’t be easy, you’ll think it strange
When I try to explain how I feel
That I still need your love after all that I’ve done
You won’t believe me
All you will see is a girl you once knew
Although she’s dressed up to the nines
at sixes and sevens with you
簡単なことじゃないの あなたは不思議に思うでしょうけれど
私が自分の気持ちを語ろうとすると
すべてが終わった今でも、あなたの愛が必要なのだと
きっと信じてはくれないでしょう
あなたが見ているのは、かつてはただの女の子だった私
どんなに着飾っていても
あなたの前では、私は戸惑っているの
I had to let it happen, I had to change
Couldn’t stay all my life down at heal
Looking out of the window, staying out of the sun
So I chose freedom
Running around, trying everything new
But nothing impressed me at all
I never expected it to
そうならざるを得なかった 変わらざるを得なかったの
みすぼらしいまま、一生を終えるわけにはいかなかった
窓の外を眺めながら、日陰で生き続けるなんてできなかった
そうして私は自由を選んだの
あちこち走り回り、すべて新しいものにして
だけど何も私の心を動かすものはなかった
そうなると望んだわけでもなかったけれど
Don’t cry for me Argentina!
The truth is I never left you
All through my wild days
My mad existence
I kept my promise
Don’t keep your distance
アルゼンチンよ どうか私のために泣かないで
あなたを見捨てたことなど一度たりともないわ
どんなに激しい日々でも
どんなにつらいときでも
私は約束を守ったわ
だからお願い どうか私を遠ざけないで
And as for fortune, and as for fame I never invited them in
Though it seemed to the world they were all I desired
They are illusions
They are not the solutions they promised to be
The answer was here all the time
I love you and hope you love me
私の財産も名声も、私が作りあげたものではないわ
でも世界の人々にとっては、自分から望んだものではないの
そんなものは幻よ
約束されていたような“救い”ではなかった
すべての答えはずっとここにある
私があなたを愛するように、私を愛してほしいの
Don’t cry for me Argentina
The truth is I never left you
All through my wild days
My mad existence
I kept my promise
Don’t cry for me Argentina
アルゼンチンよ どうか私のために泣かないで
あなたを見捨てたことなど一度たりともないわ
どんなに激しい日々でも
どんなにつらいときでも
私は約束を守ったわ
だからアルゼンチンよ どうか泣かないで
Don’t cry for me Argentina
The truth is I never left you
All through my wild days
My mad existence
I kept my promise
Don’t keep your distance
アルゼンチンよ どうか私のために泣かないで
あなたを見捨てたことなど一度たりともないわ
どんなに激しい日々でも
どんなにつらいときでも
私は約束を守ったわ
だからお願い 私から離れていかないで
Have I said too much?
There’s nothing more I can think of to say to you
But all you have to do is look at me to know
That every word is true
喋りすぎてしまったかしら?
もうあなたに伝えることはないわ
ただ私を見てくれれば、それだけでわかるはず
すべての言葉が真実だということを