ファンティーヌ役を演じるアン・ハサウェイ
映画『レ・ミゼラブル』(2012年公開)のワンシーン
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「夢やぶれて I Dreamed A Dream」は、クロード=ミシェル・シェーンベルク(Claude-Michel Schönberg)作曲のミュージカル『レ・ミゼラブル Les Misérables』の中で、コゼットの母親であるファンティーヌが歌う劇中歌です。
2009年、イギリスのオーディション番組でスーザン・ボイル(Susan Boyle)が熱唱し、拍手喝采を浴び合格したことで、この曲は世界的に注目を集めました。
番組放送後のYouTubeでの再生回数は1億回を超え、翌年にリリースされたアルバム『夢やぶれて』は全英・全米1位を記録しています。
『レ・ミゼラブル』の概要とあらすじ

小説『レ・ミゼラブル』1862年出版
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『レ・ミゼラブル』は、ヴィクトル=マリー・ユーゴー(Victor-Marie Hugo)の同名小説を原作とするミュージカルです。
オリジナルのフランス語版は1980年にパリで初演され、英語版は1985年10月にロンドンで上演されました。
1987年から日本をはじめとする世界各国で上演されるようになり、ブロードウェイでは2023年まで16年間続くロングランヒットとなりました。
【前半】更生するバルジャンとファンティーヌの死

ジャン・バルジャン役を演じるヒュー・ジャックマン
映画『レ・ミゼラブル』(2012年公開)のワンシーン
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物語の舞台は、19世紀のフランス・パリ。
主人公のジャン・バルジャンは、妹の子どもたちのために1斤のパンを盗んだ罪で、理不尽にも19年間も投獄されていました。仮出所してからも社会の目は冷たく、まともな生活を送れません。
そんなとき、司祭に温かく迎え入れられたバルジャンは、あろうことかそこで銀の食器を盗んで逃走してしまいます。ところが、警察に捕まった彼に対し、司祭は銀の燭台を差し出して罪はないことを証明したのです。
こうして心を入れ替えたバルジャンは、新たな土地で暮らし、市民に尊敬される市長となりました。
その町にやってきたのが、かつての刑務官ジャベールです。ジャベールは、バルジャンがかつて投獄されていた男ではないかと気づきます。
一方、その町にはファンティーヌという女性がいました。
幼い娘コゼットを抱えて働いていたものの解雇され、途方に暮れた末に娼婦となり、やがて病に倒れて亡くなってしまいます。
ジャベールに陥れられたバルジャンは、自らが罪人であることを告白し、コゼットを連れて逃げていくのでした。
【後半】革命の嵐とバルジャンの最期

(左から)マリウス役のエディ・レッドメイン、コゼット役のアマンダ・サイフリッド
映画『レ・ミゼラブル』(2012年公開)のワンシーン
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それから10年後。バルジャンとコゼットはパリで静かに暮らしていました。
成長したコゼットは青年マリウスと出会い、2人は恋に落ちます。同じ頃、パリの街には革命の気運が高まり、若者たちはバリケードを築いて立ち上がっていました。
戦いが激化するなか、バルジャンはマリウスたちのもとへ赴き、彼らを陰ながら守ります。そこで捕らえられていたジャベールと再会しますが、バルジャンは彼に情けをかけて解放しました。
戦況が悪化し、仲間たちが次々と倒れていく中、バルジャンは気を失ったマリウスを抱えて脱出を試みます。その途中でジャベールと再び対峙しますが、彼はバルジャンのこれまでの生き方に触れ、自らの正義との矛盾に苦しみ、ついに川へ身を投げてしまいました。
やがてマリウスは意識を取り戻し、バルジャンは自らの過去をすべて打ち明けた上で、静かに姿を消します。事情を知らぬままコゼットと結婚したマリウスでしたが、後に自分の命の恩人がバルジャンであったと知ったのです。
2人が駆けつけたとき、バルジャンはすでに最期のときを迎えていました。彼はコゼットへの想いを綴った手紙を託し、別れを告げて静かに息を引き取ります。
その手元には、生涯を通して手放すことのなかった、あの司祭から授かった銀の燭台が残されていました。
「夢やぶれて」原曲歌詞と日本語訳
There was a time when men were kind
When their voices were soft
And their words inviting
There was a time when love was blind
And the world was a song
And the song was exciting
There was a time
Then it all went wrong
昔は、男たちもやさしかった
あの頃、男たちの声はやわらかで
心を引き寄せる言葉でささやくの
恋に夢中になっていた頃もあったわ
世界は歌のようだった
その歌が、胸を躍らせてくれた
そんな頃があったけれど
すべてが狂ってしまったわ
I dreamed a dream in time gone by
When hope was high
And life worth living
I dreamed that love would never die
I dreamed that God would be forgiving
Then I was young and unafraid
And dreams were made and used and wasted
There was no ransom to be paid
No song unsung, no wine untasted
過ぎ去りし遠い日に、私は夢を見ていた
大いなる希望があり
人生には、生きる価値があった
愛は決して滅びることはないと、夢を見ていた
神様が、赦してくださるんだと、夢を見ていた
あの頃の私は若く、恐れを知らなかった
夢を描き、追いかけ、そして無駄にしてしまった
代償なんて必要なかったわ
歌わない歌はなく、味わわないワインもなかった
But the tigers come at night
With their voices soft as thunder
As they tear your hope apart
And they turn your dream to shame
でも、夜になれば、虎たちがやってくるの
雷のように重く響く声で
その声は、あなたの希望を引き裂いて
あなたの夢を恥に変えてしまうのよ
He slept a summer by my side
He filled my days with endless wonder
He took my childhood in his stride
But he was gone when autumn came
ある夏、あの人は私の横で眠り
あの頃の私をずっと喜びで満たしてくれた
私の若ささえも当然のように奪っていった
それなのに秋になったら、私のもとを去っていった
And still I dream he’ll come to me
That we will live the years together
But there are dreams that cannot be
And there are storms we cannot weather
それでも私はまだ夢をみているの 彼が私の前に現れると
それからは、ずっと一緒に暮らすのよ
だけど、叶えられない夢はある
乗り越えられない嵐だってあるのだもの
I had a dream my life would be
So different from this hell I’m living
So different now from what it seemed
Now life has killed the dream I dreamed
私の人生にも夢があったのよ
こんな地獄とは、かけ離れた人生を
今の人生は想像していたものじゃない
人生が、あの夢を打ち砕いてしまった