カンツォーネ

ローマのギター 歌詞の意味・解説

ローマのギター Chitarra romana」は、ブルーノ・ケルビーニ(Bruno Cherubini, 1897-1947)作詞、エルド・ディ・ラッザロ(Eldo Di Lazzaro, 1902-1968)作曲によるイタリア民謡です。
情熱的なタンゴ調のイントロで始まり、情緒的なメロディが美しい一曲です。

「ローマのギター」歴史と解説

「ローマのギター」は、1934年に楽譜として初めて出版され、1935年にカルロ・ブーティによって初めてレコード化されました。1930年代に見られるファシズム的なレトリックを含む曲で、ローマのイメージと歴史をアピールしています。抒情的な要素と民謡的な要素が混在し、1926年のヒット曲「バルカローロ・ロマーノ」の要素も反映されています。

「ローマのギター」は多くの歌い手によってカバーされ、ルチアーノ・パヴァロッティ、クラウディオ・ヴィッラ、コニー・フランシス、ジュゼッペ・ディ・ステーファノ、ホセ・カレーラス、プラシド・ドミンゴなどが歌っています。

また、2000年にはアメリカのラッパーAmilが「Heard It All」という曲で、2002年にはイギリスのラッパーMs. Dynamiteが「It Takes More」という曲で、「ローマーのギター」をサンプリングとして使用しました。
この曲は、イタリアの音楽史において重要な位置を占める作品として、現在も多くのアーティストによって歌い継がれています。

ブルーノ・ケルビーニエルド・ディ・ラッザロの二人は数々の名曲を生み出し、中でも「Reginella Campagnola」は、グレン・ミラーとフランク・シナトラによって「Woodpecker Song」という曲名で大変有名になりました。

「ローマのギター」が収録された楽譜集はこちら:

「ローマのギター」原曲歌詞と日本語訳

【1番】

Sotto un manto di stelle
Roma bella mi appare
Solitario il mio cuor
Disilluso d’amor
Vuol nell’ombra cantar
Una muta fontana
E un balcone lassù
Oh, chitarra romana
Accompagnami tu

星空の下で
美しいローマが見える
孤独な私の心は
愛に失望して
影の中で歌いたい
静かな噴水と
あの高いベランダ
ああ ローマのギターよ
私に寄り添って

Suona, suona, mia chitarra
Lascia piangere il mio cuore
Senza casa e senza amore
Mi rimani solo tu
Se la voce è un po’ velata
Accompagnami in sordina
La mia bella fornarina
Al balcone non c’è più

奏でておくれ 私のギター
心の涙を流させて
家も愛もない私には
お前だけが残されている
声が少し掠れていても
そっと奏でておくれ
あの美しいパン職人の娘は
もうベランダにはいない

【2番】

Lungotevere dorme
Mentre il fiume cammina
Io lo seguo perché
Mi trascina con sé
E travolge il mio cuor
Vedo un’ombra lontana
E una stella lassù
Oh, chitarra romana
Accompagnami tu

テヴェレ川沿いは眠り
川は流れ続ける
私もそれに従う
川が私を連れて行く
そして私の心を押し流す
遠くに影が見える
そして高い所に一つの星
ああ ローマのギターよ
私に寄り添って

Se la voce è un po’ velata
Accompagnami in sordina
La mia bella fornarina
Al balcone non c’è più

Oh, chitarra romana
Accompagnami tu!

声が少し掠れていても
そっと奏でておくれ
あの美しいパン職人の娘は
もうベランダにはいない