『カロ・ミオ・ベン(イタリア語: Caro mio ben 愛しい人よ)は、イタリアの作曲家トンマーゾ・ジョルダーニがイギリスで出版した曲。
イタリア語の歌詞は、愛する女性に自分の想いを伝える切ない物語です。
カロ・ミオ・ベン 歴史と解説
「カロ・ミオ・ベン」の作曲者トンマーゾ・ジョルダーニ(Tommaso Giordani/1730-1806)はイタリアのナポリ出身で、生涯のほとんどをイギリスで過ごしました。
この曲はイタリア歌曲の中でも大変有名なアリエッタですが、作詞者も不明で、作曲された経緯や背景も明らかになっていません。
また、原典に関する調査研究もきちんと行われていなかったため、近年までこの曲の作曲者は同じくナポリ出身の作曲家ジュゼッペ・ジョルダーニ(Giuseppe Giordani/1751-1798)であるという誤った情報が広がっていました。
1890年にイタリアのリコルディ社から出版された楽譜に、ジュゼッペ・ジョルダーニが作曲者がであると記載され、そのまま世界中に広がってしまったことが原因です。
(ちなみにややこしいのですが、トンマーゾの父の名前もジュゼッペ・ジョルダーニといいます。)
曲の経緯や歴史は不明ですが、メロディも歌詞も大変美しい曲で、男女問わず歌曲を勉強する方なら必ず歌う機会があるのではないでしょうか。
現代ではピアノ伴奏+独唱というスタイルで歌われていますが、当時は弦楽4パート+独唱で歌われていたようです。
カロ・ミオ・ベン 原曲歌詞と日本語訳
【1番】
Caro mio ben, credimi almen,
senza di te languisce il cor,
愛しい女よ せめて私を信じて
あなたがいないと心が弱ってしまう
caro mio ben, senza, di te languisce il cor.
愛しい女よ あなたなしでは心が弱ってしまう
Il tuo fedel sospira ognor.
Cessa, crudel, tanto rigor!
あなたに忠実な男は いつもため息ばかり
やめておくれ 残酷なひと あまりにも酷い
cessa, crudel, tanto rigor, tanto rigor!
やめておくれ 残酷なひと あまりにも酷い
Caro mio ben, credimi almen,
senza di te languisce il cor.
caro mio ben, credimi almen,
senze di te languisce il cor.
愛しい女よ せめて私を信じてください
あなたがいないと心が弱ってしまう
歌詞は繰り返しも多く、短くてシンプルな詩なので、初めてイタリア語の歌を暗譜して歌いたい方というには覚えやすいかもしれません。(曲の難易度は別ですが・・・)
tanto rigor=直訳では「たくさんの過酷さ・酷さ」という意味になりますが、意訳すると「なんて辛いんだ」といったような意味になるのかと考えます。
カンツォーネはこのように女性に対する切ない恋心を歌った歌が多いですね。
カロ・ミオ・ベンの歌い手
ルチアーノ・パヴァロッティをはじめ多くの有名な歌手よって歌われています。
男性の恋心を歌った曲ですが、女性が歌ってもまた雰囲気が変わって素敵です。
カロ・ミオ・ベン 無料楽譜
カロ・ミオ・ベンの楽譜はパブリックドメインの楽譜配布サイト「IMSLP」でダウンロードすることができます。
「IMSLP」は世界中のパブリックドメインの楽譜を集めたサイトです。まぎらわしい広告が表示されたり寄付を募るページが表示されるなど、ダウンロードにたどり着くまで分かりづらい部分もありますが、使いこなすことができれば様々な楽譜を無料で手に入れることができます。
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