ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart/1756-1791)はザルツブルク出身の作曲家です。幼い頃から天才的な音楽センスを発揮して、ヨーロッパを周遊しながら演奏旅行や作曲を続けました。35歳という短い人生の中で交響曲、オペラ、ピアノ曲など数々の名曲を生み出しました。軽やかで明るいメロディは現在でも子供から大人まで親しまれています。
モーツァルトの生涯
西暦 | 年齢 | 出来事 |
1956年 | 1月27日ザルツブルクで生まれる | |
1762年 | 6歳 | ミュンヘン・ウィーン旅行 マリア・テレジアの前で演奏する |
1764年 | 8歳 | ロンドン旅行 ヨハン・クリスティアン・バッハに出会う |
1769年 | 13歳 | イタリア旅行 |
1770年 | 14歳 | 黄金拍車勲章を授与 |
1777年 | 20歳 | ザルツブルクからミュンヘン・マンハイムへ |
1778年 | 22歳 | アロイジアに恋をする 母とパリへ 母はパリで亡くなる |
1781年 | 25歳 | ウィーンに住み始める |
1782年 | 26歳 | アロイジアの妹コンスタンツェと結婚 |
1785年 | 29歳 | 弦楽四重奏曲集「ハイドン・セット」をハイドンに献呈 |
1786年 | 30歳 | オペラ「フィガロの結婚」が大成功 |
1787年 | 31歳 | 「ドン・ジョバンニ」初演 |
1788年 | 32歳 | 経済状況が悪化 |
1791年 | 35歳 | 12月5日35歳で亡くなる |
神童と呼ばれた少年時代
1956年1月27日、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトはザルツブルクで生まれました。
ヴァイオリニストだった父レオポルトは幼いころからモーツァルトに音楽を教えましたが、4歳から自ら作曲を始めた我が子に音楽の才能を見出します。
6歳からミュンヘン、ウィーンなどへ演奏旅行に出かけます。シェーンブルン宮殿でマリア・テレジアの前で演奏した時に、当時7歳だったマリア(マリー・アントワネット)と出会い、「大きくなったら僕のお嫁さんにしてあげる」と言ったという逸話があります。
8歳の頃に訪れたロンドンでは、ヨハン・セバスティアン・バッハに出会い、バッハの膝の上に座ってピアノを連弾したという話もあります。初めて交響曲を作曲したのもこの頃で、6曲のソナタを王妃に献呈しました。
12歳にはウィーンでオーストリア皇帝のすすめで初めてオペラを作曲しました。その後イタリアを旅行したのち、ローマ教皇から名誉ある黄金拍車勲章を授けられました。
作曲活動を続けながらマンハイムからパリへ
1777年にはザルツブルクからマンハイムへ移りました。アウクスブルクでは従妹マリアと再会し恋をします。その後、アロイジア・ウェーバーというオペラ歌手の卵に恋をします。モーツァルトはアロイジアに歌の稽古をしていましたが、この時は想いを伝えることはありませんでした。
その後、モーツァルトは母と共にパリに移り、交響曲第31番「パリ」を作曲しました。しかし滞在先のパリで母が他界してしまいます。
ザルツブルクに戻ったモーツァルトはアロイジアに再会して求婚しようと考えていましたが、アロイジアはミュンヘンへ移って有名な歌手になっていました。
ウィーン時代 数多くの名曲を生み出す
1781年、モーツァルトが25歳の時にウィーンに移住します。翌年には父レオポルトの猛反対をよそに、アロイジアの妹コンスタンシェと結婚しました。二人の間には6人の子供が生まれましたが、4人の子供は生まれて間もなく亡くなってしまい、大きくなったのは2人の子供だけでした。
モーツァルトはピアノ曲やオペラなど次々と作曲を続けていきます。
29歳の時には、敬愛するハイドンに 「ハイドン・セット」 と呼ばれる6曲の弦楽四重奏曲集を献呈しました。モーツァルトはハイドンを自宅に招き、自身がヴィオラを演奏してハイドンの前で披露したそうです。この時、父レオポルトがザルツブルクからウィーンに来ており、ハイドンから賛辞の言葉を受けたと言われています。
30歳の時にはオペラ「フィガロの結婚」が大成功を収め、翌年には「ドン・ジョバンニ」が初演されました。たくさんの曲を作曲しても、なかなか経済的には恵まれず生活は苦しく、だんだん借金をするようになっていきます。
未完の「レクイエム」を残し短い生涯を終える
1791年、 最後のピアノ協奏曲となる第27番K. 595、「魔笛」 「皇帝ティートの慈悲」 など引き続き作曲を続けていましたが、11月には体調が悪化していきます。その頃、見知らぬ男にレクイエムの作曲を依頼され、病床でレクイエムを書き続けます。死者のためのミサ曲を書きながら、熱と頭痛に苦しみながら、レクイエムを未完に残し、その年の12月5日に息を引き取りました。
晩年はお墓を購入するお金も無かったことから、遺体はウィーン郊外のサンクト・マルクス墓地の共同墓穴に埋葬されたので、正確な埋葬場所は誰も分からなかったそうです。
モーツァルトを題材とした映画
アマデウス(1894年)
クラシック音楽を描いた映画では一番有名なのではないでしょうか?
年老いたサリエリが過去を振り返り、天才アマデウス・モーツァルトの出現と生涯を語るストーリーです。
モーツァルトを演じたトム・ハルスはこの映画のためにピアノを猛特訓して、劇中ではほとんど代役や吹替なしでピアノを演奏しているそうです。また指揮法についてもかなりのトレーニングをしたそうです。
また、天才的な音楽センスはもちろん、下品なジョークや奇抜なファッション、ルーズな性格など、モーツァルトの個性を表現しています。
また、レクイエムの作曲を依頼されてから、体調を崩し病床に伏しながらも死の直前までレクイエムを口ずさむ姿は、初めてこの映画を見た時はリアルで恐怖を感じました!