日本歌曲

『お正月』歌詞の意味・解説

もういくつねると、お正月」で始まるこの歌は、日本人なら誰もが耳にしたことのある、お正月の定番曲です。作曲から120年以上が経った今でも、年末になり元旦が近づくと、街のあちこちで流れるほど親しまれています。

この曲がこれほど長く愛され続けている理由は、子どもたちの「早くお正月が来ないかな」という期待感や喜びを素直に表現しているからに他なりません。この記事では、世代を超えて歌い継がれる「お正月」の歴史や意味を詳しくご紹介します。

「お正月」歴史と解説

「お正月」は、1901年(明治34年)7月25日に刊行した唱歌集『幼稚園唱歌』に収録された一曲です。作詞は東くめ(1877-1969)、作曲は「荒城の月」などで知られる瀧廉太郎(1879-1903)が手がけました。

本作が歴史的に注目される最大の理由は、日本で初めて「口語体(話し言葉)」を用いた童謡として発表された点にあります。当時は「文語体(書き言葉)」の歌詞が主流でしたが、「もういくつ寝ると」や「はやく来い来い」といった日常的な言葉が使われています。これにより、子どもたちにとって非常に親しみやすい内容となりました。

しかし、明治時代の童謡は難しい文語体で書かれていたり、外国の曲に無理やり日本語を当てはめたりした曲が多く、児童向けではなかったため難解で歌いにくいものだったのです。

この状況を憂いた東京女子高等師範学校(現・お茶の水女子大学)の教授・東基吉は、妻の東くめに「子どもの話し言葉で、子どもが理解し、楽しめる歌を作りたい」と提案します。 東くめは、東京音楽学校(現・東京藝術大学)の後輩である瀧廉太郎、そして彼の親友・鈴木毅一(1877-1926)とともに、新しい歌集『幼稚園唱歌』の制作に取り組みました。

同歌集には全20曲が収録されており、そのうち12曲が東くめ作詞、瀧廉太郎作曲によるものです。その中でも特に人気を集めた一曲が「お正月」で、他にも「鳩ぽっぽ」「雪やこんこん」「海のうへ」「軍ごっこ」などが含まれています。
また、歌集全体が四季の流れに沿って構成されており、「お正月」は年の暮れに歌う曲として、最後から2番目に配置されました。

「お正月」の意味と背景

「お正月」は、子どもたちが正月の到来を心待ちにする様子を歌った曲です。

1番に登場する「凧(たこ)揚げ」や「こま回し」は、かつて男の子の正月遊びとして定着していました。特に凧揚げには一年の幸福を願う意味が込められており、今もなお新春の空を楽しむ家族の姿が見られます。

続く2番では、「まりつき」と「おいばね(羽根つき)」が紹介されます。羽根つきは当時の女の子たちに人気の遊びで、色とりどりの羽子板を使って華やかに正月を祝いました。

伝統的な遊びを心待ちにしながら、「はやく来い来い」と願う子どもたちの素直なワクワク感。その瑞々しい感性は、今も家族の団らんや笑顔とともに、毎年の正月を彩り続けています。

「お正月」歌詞と解説

【一番】
もういくつ ねると お正月
お正月には 凧あげて
こまを まわして 遊びましょう
はやく 来い来い お正月

解説:
あと何日寝ればお正月がやってくるのだろう
お正月には凧揚げをして
こまを回して遊びましょう
早く来て、お正月

【二番】
もういくつ ねると お正月
お正月には まりついて
おいばね ついて 遊びましょう
はやく 来い来い お正月

解説:
あと何日寝ればお正月がやってくるのだろう
お正月にはまりつきをして
羽根つきをして遊びましょう
早く来て、お正月